2010/01/04
(前回の続き)
諏訪大社下社秋宮、春宮を参った私は、諏訪湖よりずっと南の茅野駅に下りたのだった。
本来なら諏訪間欠泉センターや上諏訪の温泉や手長神社、足長神社に向かいたいところだが、それはまたの機会に。
茅野からタクシーで上社の前宮に来ると、日暮れが近い。
↓前宮の鳥居。

そして山の中腹のお宮。

風神録のジャケットに使われたという前宮の二の御柱。

諏訪に入ってからはコミケ成功を祈願していた私は、ここでC99までの成功祈願を終える。
うむ、これで2020年までのコミケは大成功だろう(だといいな)。
そして、せっかく前宮まで来たので、「水眼の如き美しき源泉」を見に行こうと決心する。
この水眼(すいが)の源泉、山の奥深くにあり、普通の参拝客はまず行かないらしいのである。
そしてその山はかつて「入ると祟られる」とされる御神体の山。
神紋梶の入った諏訪大社公式帽のご加護があれば、祟りも防げるのでは、と前向きに考え、一路山道を登る。
と、その時、全身が発熱し、どこからともなく痒みが……
どうやら、百匹近い蚕のさなぎを一度に食ったせいで、
昆虫アレルギー(甲殻類アレルギーの親戚?)が私の体を襲ったようだ(推測)。
山に足を踏み入れただけでこれとはミシャグジ神の祟り恐るべし、
だがすでに大分上ってしまったのでそのまま目指すことにする。
前宮左脇の山道を上っていくと小さなダムと、その前に社があるのだが、これは山の神を祀った社で、
源泉はさらにずっと上方にあるという。
ダムを左下に見下ろしながらしばらく行くと、山道と清流が別れるところに出くわす。
ここからは道などないので、清流にぬかるんだ斜面を、林の枝枝を避け、雪に足を捕られぬよう慎重に上っていく。
↓こんな感じである。

うっかりしていたのだが、御神体の守屋山が西にあるため、予想以上に日没が早い。
急がないと暗くなって下山するとき危険、と迷うも、数十分の余裕があると踏み進む。
山道から分かれて林の中を70mは上っただろうか、ようやく小さな社と水が湧き出る源泉を発見する。
↓これが社。

↓社の前にある源泉。

社を拝んでから源泉に下りて覗き込むと、びっくりするほどの水量の清流が湧き出ている。
よくよく見ると、たしかに『眼』のような形の湧き出し口がある。なるほど「水眼」と呼ばれるのも納得だ。
美しいというか、実に芸術的な泉である。
↓写真のやや黒っぽく見える部分が水眼の穴。

口に含むとなかなか美味い。名水とまでは言えないが、山中を登ってきた身には堪えられない味だ。
そして昆虫食アレルギーとおぼしき手の腫れと痒みを清流で冷やす。
さて、薄暗くなってきた山中を下り、前宮までやってきた私は、東方ファンの痛絵馬を観察し、御神籤を引く。
すると……末吉が出てしまう。
この末吉、吉とは名ばかりの大凶クラスの御籤で、
・願望 叶わず 誠実を旨として慎しむが吉
・待ち人 来ぬ 待たぬが吉
・失物 出ぬ。 あきらめよ
・旅行 行きても先に凶有
・転居 充分ならず止めよ
・縁談 叶わず 今迄の行動を考え慎む事
うむ、我が身を省みれば、至極もっともなことばかり並んでいる。
……のだが……さすがにこれはきっついなあ。
こうして前宮を後にし、途中にある東方ファンの間では特に有名なかの家を訪ね、ミシャグジ神信仰の中心も詣でる。

さて日も暮れかかり、いよいよ本宮というところで、道の左になにやらとんでもない石段が。

こういう石段を見てしまうと、登りたくなってしまう。
上る途中で何度も、「ここで足を滑らせたら死ぬ……」と思いつつ登りきると、なんともまあ小さな社が。
北斗神社というらしい。ぱっと見た瞬間に思い描いたイメージは「外の世界の博麗神社」である。

社の中には農具だろうか? 縄が奉納されている。そして社の前には米粒が供えられている。
米粒を供える意味はわからないものの、何かしらの由緒を感じさせる。
そしてこの社の右脇には小さな御柱に四方を囲まれた、これまた小さな祠がある。

このような小さな祠にこそ、神はおわすのではないか、と思わず感じてしまうような威厳ある祠であった。
さて、あの恐怖の石段を死を覚悟しながら下りる。
(これは冗談で言っているのではない。あの石段、手すりがあるところまではいいのだが、途中で手すりがなくなってしまうのである!
高所恐怖症の人は間違っても上ってはいけない場所だ。上がったはいいが下りられなくなること必至である)
本宮に来たところであたりは夕闇に。
神社の宮司さんとお巫女さんたちが自分達の参拝を行っているのが見える。
ここ本宮のお巫女さん、遠目から見たせいなのか何なのか、かなりのべっぴんさんに見えた。
エリート巫女なのだろうか。もしかすると妖怪と戦えるのだろうか(それは無理か)

真っ暗になってしまったので、とりあえず東方元ネタだけでも見て回る。
↓こちらは筒粥殿跡の説明。うむ、これだけ。何もない。

↓こちらは天流水舎。どんなに晴天の日でも三滴は降るとされる「お天水」の舎である。

こうして、四つの諏訪大社の社を巡り、本宮から茅野駅まで小雪の中歩いた私は、
無事特急「スーパーあずさ」で江戸に戻ることが出来たのであった。
めでたしめでたし。
(旅行記はここで終わる)
諏訪大社下社秋宮、春宮を参った私は、諏訪湖よりずっと南の茅野駅に下りたのだった。
本来なら諏訪間欠泉センターや上諏訪の温泉や手長神社、足長神社に向かいたいところだが、それはまたの機会に。
茅野からタクシーで上社の前宮に来ると、日暮れが近い。
↓前宮の鳥居。

そして山の中腹のお宮。

風神録のジャケットに使われたという前宮の二の御柱。

諏訪に入ってからはコミケ成功を祈願していた私は、ここでC99までの成功祈願を終える。
うむ、これで2020年までのコミケは大成功だろう(だといいな)。
そして、せっかく前宮まで来たので、「水眼の如き美しき源泉」を見に行こうと決心する。
この水眼(すいが)の源泉、山の奥深くにあり、普通の参拝客はまず行かないらしいのである。
そしてその山はかつて「入ると祟られる」とされる御神体の山。
神紋梶の入った諏訪大社公式帽のご加護があれば、祟りも防げるのでは、と前向きに考え、一路山道を登る。
と、その時、全身が発熱し、どこからともなく痒みが……
どうやら、百匹近い蚕のさなぎを一度に食ったせいで、
昆虫アレルギー(甲殻類アレルギーの親戚?)が私の体を襲ったようだ(推測)。
山に足を踏み入れただけでこれとはミシャグジ神の祟り恐るべし、
だがすでに大分上ってしまったのでそのまま目指すことにする。
前宮左脇の山道を上っていくと小さなダムと、その前に社があるのだが、これは山の神を祀った社で、
源泉はさらにずっと上方にあるという。
ダムを左下に見下ろしながらしばらく行くと、山道と清流が別れるところに出くわす。
ここからは道などないので、清流にぬかるんだ斜面を、林の枝枝を避け、雪に足を捕られぬよう慎重に上っていく。
↓こんな感じである。

うっかりしていたのだが、御神体の守屋山が西にあるため、予想以上に日没が早い。
急がないと暗くなって下山するとき危険、と迷うも、数十分の余裕があると踏み進む。
山道から分かれて林の中を70mは上っただろうか、ようやく小さな社と水が湧き出る源泉を発見する。
↓これが社。

↓社の前にある源泉。

社を拝んでから源泉に下りて覗き込むと、びっくりするほどの水量の清流が湧き出ている。
よくよく見ると、たしかに『眼』のような形の湧き出し口がある。なるほど「水眼」と呼ばれるのも納得だ。
美しいというか、実に芸術的な泉である。
↓写真のやや黒っぽく見える部分が水眼の穴。

口に含むとなかなか美味い。名水とまでは言えないが、山中を登ってきた身には堪えられない味だ。
そして昆虫食アレルギーとおぼしき手の腫れと痒みを清流で冷やす。
さて、薄暗くなってきた山中を下り、前宮までやってきた私は、東方ファンの痛絵馬を観察し、御神籤を引く。
すると……末吉が出てしまう。
この末吉、吉とは名ばかりの大凶クラスの御籤で、
・願望 叶わず 誠実を旨として慎しむが吉
・待ち人 来ぬ 待たぬが吉
・失物 出ぬ。 あきらめよ
・旅行 行きても先に凶有
・転居 充分ならず止めよ
・縁談 叶わず 今迄の行動を考え慎む事
うむ、我が身を省みれば、至極もっともなことばかり並んでいる。
……のだが……さすがにこれはきっついなあ。
こうして前宮を後にし、途中にある東方ファンの間では特に有名なかの家を訪ね、ミシャグジ神信仰の中心も詣でる。

さて日も暮れかかり、いよいよ本宮というところで、道の左になにやらとんでもない石段が。

こういう石段を見てしまうと、登りたくなってしまう。
上る途中で何度も、「ここで足を滑らせたら死ぬ……」と思いつつ登りきると、なんともまあ小さな社が。
北斗神社というらしい。ぱっと見た瞬間に思い描いたイメージは「外の世界の博麗神社」である。

社の中には農具だろうか? 縄が奉納されている。そして社の前には米粒が供えられている。
米粒を供える意味はわからないものの、何かしらの由緒を感じさせる。
そしてこの社の右脇には小さな御柱に四方を囲まれた、これまた小さな祠がある。

このような小さな祠にこそ、神はおわすのではないか、と思わず感じてしまうような威厳ある祠であった。
さて、あの恐怖の石段を死を覚悟しながら下りる。
(これは冗談で言っているのではない。あの石段、手すりがあるところまではいいのだが、途中で手すりがなくなってしまうのである!
高所恐怖症の人は間違っても上ってはいけない場所だ。上がったはいいが下りられなくなること必至である)
本宮に来たところであたりは夕闇に。
神社の宮司さんとお巫女さんたちが自分達の参拝を行っているのが見える。
ここ本宮のお巫女さん、遠目から見たせいなのか何なのか、かなりのべっぴんさんに見えた。
エリート巫女なのだろうか。もしかすると妖怪と戦えるのだろうか(それは無理か)

真っ暗になってしまったので、とりあえず東方元ネタだけでも見て回る。
↓こちらは筒粥殿跡の説明。うむ、これだけ。何もない。

↓こちらは天流水舎。どんなに晴天の日でも三滴は降るとされる「お天水」の舎である。

こうして、四つの諏訪大社の社を巡り、本宮から茅野駅まで小雪の中歩いた私は、
無事特急「スーパーあずさ」で江戸に戻ることが出来たのであった。
めでたしめでたし。
(旅行記はここで終わる)
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