2010/07/25
7月21日 東方儚月抄 月のイナバと地上の因幡 下巻発売。
7月22日~23日 TH12.8 妖精大戦争 ~ 東方三月精が発表され界隈が騒然(?)となる。
7月24日 一迅社 キャラ☆メルFebri創刊 東方茨歌仙連載開始。
とまあ、毎日東方の話題に事欠かない日々。
この3作品について今のところの感想を残す。
・月のイナバと地上の因幡
東方儚月抄の最後の一巻が発売されたのに、あとがきにもネットでも神主コメントなし。
ちょっと寂しい気もするが、東方茨歌仙にも公式コメントない。う~む。
儚月抄の時は「割と重いところも出てしまいそうです」と含みを持たせたコメントが仇になった。
コメントなしは、防御するには風流で良い作戦かも知れない。
限定版について来たフィギュアで遊んでしまったが、
てゐ+妖怪兎のフィギュアで注目するべきはてゐよりも兎の方かもしれない。
私の読後感では、四コマ儚月抄で一番特徴的だったのは、この兎達である。
東方の原作において、永遠亭に住む兎ほど描き手によって描写が異なる存在も珍しいのではないか。
東方永夜抄に出てくるドット絵の妖怪兎はなんと羽つきである。
なぜかというと、妖精のドット絵に兎の耳をつけただけだから。
三月精に出てくる兎は異様にリアルだったと思えば(てゐが魔理沙から毒の葉を食べる回)、
直前の回ではくだけた描写になっていたりと定まっていなかった。
秋★枝儚月抄では全員てゐに近い姿をしていた。
そして、この四コマでは、いわばスーパーデフォルメ(SD)と呼べるようなキャラになっている。
セリフもフキダシなしでわーわー言う賑やかなもの。
どうして「人の形」を取らないこのデザインになったのか良くわからないが、
見る人によって姿が変わるのが妖怪なら、こうしたデフォルメもありなのだろう。
(秋★枝儚月抄の妖怪兎の場合、ドリブルしたり帽子の中に入れるのは難しいだろう)
星蓮船の鵺のような存在が東方の正統な妖怪観だとすれば、
永遠亭の妖怪兎のデザインが作品によって異なるのはむしろ東方らしいのかもしれない。
四コマ下巻の特徴は、新しく書き下ろされた内容もさることながら
綿月姉妹とレイセンが頻繁に登場することが上げられよう。
もちろん「永琳の使者殺し」といった重いテーマは微塵も感じさせないムードで、
四コマが原作と呼ぶより二次創作と呼んだ方が適当、と見なされるのもわかる。
しかし、解釈によっては秋★枝儚月抄の後日談としてうまくはめ込むことができそうだ。
注目すべきは、「四コマにおいても輝夜と綿月姉妹の間に一切会話が存在していない」こと。
会話が成立しそうなシーンでも、なぜか綿月姉妹と輝夜が直接言葉を交わすことが回避されている。
これは輝夜と綿月姉妹を絡ませづらいということよりも、原案の指示という気がする。
一方でてゐと豊姫の絡みが非常に多い。
ここら辺は日本の神話における鮫モチーフ(いわゆる因幡の素兎)に基く、
なにかしらの因縁を感じさせる絡ませ方。
さらに、月都万象展で月の最新情報を仕入れるために綿月姉妹を呼んだのは、なんとてゐである。
これが「よく考えもしないご都合主義的な展開」なら解釈する価値はないのだが、
そうでないとするなら、てゐと月の都の間には何らかの強力な交信手段があったということになる。
(私が二次創作をしている月々抄の構想でも、てゐは元玉兎で固まっているが、
四コマの描写はその二次創作よりの解釈を裏切っていない。
ま、そこら辺はSSの中で開陳したいのでここには書かない)
「なぜ豊姫が穢れているはずの地上の妖怪兎を月に持って帰ろうとしていたのか」という点も、
真面目に考察するとなかなか面白い。
もちろん、「そもそもなぜ綿月姉妹は永遠亭と自由に行き来することが可能になったのか」という点も
考察に値する。
さて、四コマのオチについて。
四コマ儚月抄は秋★枝儚月抄や小説と比べると批判は少ない、
(でもって熱狂的なファンも少ない)ようだが、
月都万象展の内実をすっ飛ばしたことには少なからず批判があるようだ。
私もこの点には不満がある。
が、四コマの限界なのかもしれない。
例えば、紅魔館のロケットパーティーは秋★枝儚月抄がメインで、それを受けて四コマが描かれた。
月都万象展も秋★枝儚月抄でメインの描写をしっかりやっておけば良かったのだが、
それがないので読者は風流な想像力を掻き立てることしかできない。
描写で紫や幽々子が登場していない(橙や妖夢は登場している)ことから、
原案ベースでなんらかの骨子があったと推測するのだが、今となっては真相は闇である。
三誌同時連載のヒビがここにも影響した、というのが私の素直な感想。
あそうそう最後に、単行本で気づいたが四コマ版だとレイセンの胸がない。ゼロ。
見事にゼロ。これは意外だった。
・妖精大戦争 ~ 東方三月精
角川から出ている三月精でおまけ扱いだった「妖精大戦争」が、ついにゲームに。
作者のブログ告知はこちら
私が抱いていた予想は、上海アリス幻樂団は夏コミで秘封倶楽部か幺樂団か、だった。
三月精というのは割と盲点だったので、色々と期待したい。
(昨年夏コミの上海アリス列は最悪だったが今年はどうなるだろうか。
正規ナンバーではないのでダブルスポイラーの列程度に収まってくれると助かるのだが)
いくつか気になる点。
まずゲーム中の立ち絵があった場合比良坂真琴氏が書くのかどうかということ。
ZUN絵の三月精を見てみたかったんだが比良坂絵になるのはやむをえないか。
三月精のドット絵を見る限り、比良坂絵になるっぽい。
(追記:立ち絵は全て比良坂氏が描くようです。比良坂氏のブログ日記より)
次にブログのスナップショットを見るとリリーホワイトらしきドット絵があること。
リリーホワイトにもついにスペルカードが出るのだろうか。
(なお、花映塚の黒服リリーホワイトは映姫ステージ用に着替えたもの、と解釈している。
秋★枝儚月抄で別々に登場してしまっているが、基本的には同一人物と見ている)
大妖精も三月精本編で出てきたし、なんかしら扱われるのだろうか。
三月精に登場したキャラやゾンビごっこを妖精にさせるお燐など、色々登場するのかどうかも気になるところ。
最後に、チルノのパーフェクトフリーズを主体にしたゲームということ。
確かに紅魔郷のPFは東方の知名度を高めるのに絶大な効果があったし、
花映塚では弾を止めるその技がほとんど反則技に近い性能を誇っていたから、
このようなゲームが作られるのもまあわかる。
わかるのだが、正直「また紅魔郷キャラかよ」と思う気持ちもある。
だったら秋姉妹が主役のゲームの方が
東方Project人気が、今でも紅魔郷キャラに偏重しているのは、個人的には問題だと思っている。
キャラクター面では非想天則でルーミアとフランドールを除いて紅魔郷キャラは全登場、
音楽面ではタイトーの音楽部門ZUNTATAが「U.N.オーエンは彼女なのか」を商業用にアレンジした。
2010年でも東方といえば紅魔郷イメージがあまりに強い。
逆に言うと界隈の人気と言う点では東方紅魔郷を超える作品は生まれていないということで、
今後ちょっと心配なのである。
(もちろん妖精大戦争で地霊殿や星蓮船のキャラがわんさか出てくる可能性もある)
チルノが主役なら角川も文句は言わないだろう。
ひょっとするとこの話は角川側から持ちかけた話かもしれないが。
多分酒コラムを書くついでに居酒屋で出た話なのだろう。
(追記:ZUN氏のブログや比良坂氏のブログなどによれば、
ゲーム製作の話は2年前にZUN氏と比良坂氏の間であったそうで、
角川は絡んでいない様子)
・キャラ★メルFebri
茨歌仙の前に、キャラ★メルFebriの感想。
手にとっての第一印象は、「え? これで1000円取るの?」だった。
中身としても「特集を組んで集中的に取り上げる」というスタンスではなく、
「なんとなく今人気の作家・作品を並べる」と言う雰囲気で散漫な印象。
旧キャラ★メルと同じ。ただし旧雑誌よりも一回りサイズが小さくなった。
気になったところ。
雑誌のほぼ全ページにページ番号を振るのは良いと思うが、
前半のカラーページと後半のカラー(訂正)モノクロページで、ページ番号の位置が違う。
大丈夫なんだろうかと、ちょっと心配。
なもり氏の新連載「りせっと!」で、唐突にコミック百合姫などの宣伝が出てくるのだが、
雑誌の中でもこの部分だけで、かなり浮いている。
体裁の統一が欠けているようで、ちょっと心配。
雑誌をめくってすぐ小此木哲朗編集長代理の宣言がある。(編集長じゃなかったのかよ)
なんでもキャラ★メルFebriは
「熱意の塊のような方々を中核に据え
人の顔が見える情報をお伝えしていく」ことを基本方針にするらしい。
うーむ、この基本方針からして危うさしか感じられないのだが。
熱意の塊のような方々、と言うがこの雑誌で取り上げられる作品・作家は、
すでに評価されているものばかりなのだ。
つまり、
「評価されているものの裏に潜む熱意をインタビューなどで聞き出して、商品に仕立てる」
という意味なのだろう。
要するに、私の読んだ限りでは、埋もれている良作、今後伸びそうな作家を発掘するというよりも、
既に評価されている作品や作家に依存して商売する、という姿勢が窺えるのである。
ちょっとどころではなくかなり心配。
おそらく小此木編集長代理は、一定の東方ファンなら購入して支えると踏んでいるのだろう。
あるいは藤島康介ファンが。
それは正しい。そうしたつながりは小此木氏の力の源泉なのだろう。
だが小此木編集長代理は新人漫画家「あずまあや」を一流に育てられるのだろうか。
この手腕に関して私は一迅全体の空気を疑問視している。
なお、小此木編集長代理は次回予告の中で
自身のブログやtwitterをチェックしてみてください、と書いた。
どうやらあの方のtwitterはチェックされてしかるべきもののようだ。
一迅社の社員のtwitterはフリーダムすぎて時々眩暈がしてくるのだが、
それはまあいい。
しかし、一迅の代表取締役である杉野庸介氏と、小此木編集代理の
微妙な人間関係がtwitter上で見えてしまうのはどうなのだろうか。
先日も杉野氏が小此木氏に「呉越同舟」と皮肉にしか読めない言葉を投げ、
小此木氏は「呉越同舟って基本的に敵同士ですからね!」と素で(?)返した。
私なんぞはうーんと唸ってしまう。
そして、ZUN氏が妖精大戦争を発表したとき、小此木氏は
「なるほどそう来ましたか。最後の詰め頑張って下さい・・・!」
と返した。おいおい、なるほどそう来ましたか、じゃないだろと思ったが、
以前「では、そろそろ書籍でも文花帖2の企画をですね・・・(※冗談2割)」
と発言した人だから天然なんだろう。
とにかく雑誌の次回予告でtwitterのチェックをと書いたのはリスクが高すぎるとしか思えない。
(でも彼のtwitterをチェックしたら、タクティクスオウガがリメイクされるらしいという話を知った。
意外なところで面白い情報が入るものだ。
リメイクとなると、ヴォラックがライアットバーンを使う姿がついに見られるのだろうか)
それと雑誌の裏に「東方雅華乱舞」というトレーディングフィギュアの広告が。
秋★枝デザインの霊夢・魔理沙、あらたとしひらデザインの鈴仙・てゐ、TOKIAMEデザインの輝夜、
がスリーブで登場するらしい。ってスリーブかよ!
綿月姉妹を一迅はなぜ売り込まないのだろう。謎だ。
・東方茨歌仙 第一話「片腕有角の仙人」
やはりというべきか、あずまあや氏の正体は、azmaya氏のようだ。
そもそも小此木編集長代理がtwitterでフォローしたからバレたようだけどね。
ご本人のサイトazmayaでも告知された。
azmayaとあずまあやを分けたのは深い意味はない、とのこと。
第一話は、博麗神社に奉納された河童の腕を新キャラの茨華仙(茨木華扇)が見に来て、
霊夢や魔理沙と顔見知りになる、というだけの実に他愛もない話である。
絵柄は、なんというか、ちんまりしたキャラクターで、可愛いらしさは充分にある。
新キャラの茨華仙(茨木華扇)だが、どうして二つ名前があるのか明らかではない。
タイトルにあった「有角」に関しても、描写に角らしきものは見当たらなかった。
霊夢が「人間と闘う気もないし」と言っているおり、鬼という感じもしない。
この話ではよくわからない。
片腕の名の通り右腕がなく、布のようなものを(霊力で?)腕の形にして操っているようだ。
イメージとしては、藤田和日郎の漫画「うしおととら」の過去編でシャガクシャが獣の槍を入手するシーンだろうか。
(そういえば、緋想天の永江衣玖の布ドリルも、
藤田和日郎の漫画「からくりサーカス」に出てきた馬麗娜(マァリイナ)を想起した。偶然だろうか)
片腕のキャラというと、シグルイの藤木源之助や、ベルセルクのガッツなど、
バトル漫画の男性キャラに散見するが、女性キャラとなるとあまり記憶にない。
ただ茨華仙は布を義手のように扱えるようなので、特に描写の問題はなさそうだ。
ちなみに、JOJOの奇妙な冒険第3部でハーミットパープルを操るジョセフジョースターも義手だった。
ジョセフのイメージはキャラ造形になんらかの影響を与えているのだろう。
(髪型は春麗(チュンリー)っぽいけど)
もう一つ、今までの東方作品であまり語られてこなかった人里の入り口がイラストで明らかにされた。
まるで弥生時代の高層建築を思わせる、巨大な城門が備えられている。
しかも瓦葺ではなく茅葺のようだ。
人里の周りに田畑があるのは今までに明らかにされていたが、
もしかすると人里の周りだけでなく、低い山に火入れをして採草地を維持しているのかもしれない。
全体としての感想としては、第1話ではまだわからない、としかいえない。
雰囲気を読む限り大異変には発展しなさそう。
ただ「歌」要素や「角」要素が出て来ていないので作品としても様子見である。
それよりFebriそのものの方が心配。
ひとまず雑感としてこんなところ。
7月22日~23日 TH12.8 妖精大戦争 ~ 東方三月精が発表され界隈が騒然(?)となる。
7月24日 一迅社 キャラ☆メルFebri創刊 東方茨歌仙連載開始。
とまあ、毎日東方の話題に事欠かない日々。
この3作品について今のところの感想を残す。
・月のイナバと地上の因幡
東方儚月抄の最後の一巻が発売されたのに、あとがきにもネットでも神主コメントなし。
ちょっと寂しい気もするが、東方茨歌仙にも公式コメントない。う~む。
儚月抄の時は「割と重いところも出てしまいそうです」と含みを持たせたコメントが仇になった。
コメントなしは、防御するには風流で良い作戦かも知れない。
限定版について来たフィギュアで遊んでしまったが、
てゐ+妖怪兎のフィギュアで注目するべきはてゐよりも兎の方かもしれない。
私の読後感では、四コマ儚月抄で一番特徴的だったのは、この兎達である。
東方の原作において、永遠亭に住む兎ほど描き手によって描写が異なる存在も珍しいのではないか。
東方永夜抄に出てくるドット絵の妖怪兎はなんと羽つきである。
なぜかというと、妖精のドット絵に兎の耳をつけただけだから。
三月精に出てくる兎は異様にリアルだったと思えば(てゐが魔理沙から毒の葉を食べる回)、
直前の回ではくだけた描写になっていたりと定まっていなかった。
秋★枝儚月抄では全員てゐに近い姿をしていた。
そして、この四コマでは、いわばスーパーデフォルメ(SD)と呼べるようなキャラになっている。
セリフもフキダシなしでわーわー言う賑やかなもの。
どうして「人の形」を取らないこのデザインになったのか良くわからないが、
見る人によって姿が変わるのが妖怪なら、こうしたデフォルメもありなのだろう。
(秋★枝儚月抄の妖怪兎の場合、ドリブルしたり帽子の中に入れるのは難しいだろう)
星蓮船の鵺のような存在が東方の正統な妖怪観だとすれば、
永遠亭の妖怪兎のデザインが作品によって異なるのはむしろ東方らしいのかもしれない。
四コマ下巻の特徴は、新しく書き下ろされた内容もさることながら
綿月姉妹とレイセンが頻繁に登場することが上げられよう。
もちろん「永琳の使者殺し」といった重いテーマは微塵も感じさせないムードで、
四コマが原作と呼ぶより二次創作と呼んだ方が適当、と見なされるのもわかる。
しかし、解釈によっては秋★枝儚月抄の後日談としてうまくはめ込むことができそうだ。
注目すべきは、「四コマにおいても輝夜と綿月姉妹の間に一切会話が存在していない」こと。
会話が成立しそうなシーンでも、なぜか綿月姉妹と輝夜が直接言葉を交わすことが回避されている。
これは輝夜と綿月姉妹を絡ませづらいということよりも、原案の指示という気がする。
一方でてゐと豊姫の絡みが非常に多い。
ここら辺は日本の神話における鮫モチーフ(いわゆる因幡の素兎)に基く、
なにかしらの因縁を感じさせる絡ませ方。
さらに、月都万象展で月の最新情報を仕入れるために綿月姉妹を呼んだのは、なんとてゐである。
これが「よく考えもしないご都合主義的な展開」なら解釈する価値はないのだが、
そうでないとするなら、てゐと月の都の間には何らかの強力な交信手段があったということになる。
(私が二次創作をしている月々抄の構想でも、てゐは元玉兎で固まっているが、
四コマの描写はその二次創作よりの解釈を裏切っていない。
ま、そこら辺はSSの中で開陳したいのでここには書かない)
「なぜ豊姫が穢れているはずの地上の妖怪兎を月に持って帰ろうとしていたのか」という点も、
真面目に考察するとなかなか面白い。
もちろん、「そもそもなぜ綿月姉妹は永遠亭と自由に行き来することが可能になったのか」という点も
考察に値する。
さて、四コマのオチについて。
四コマ儚月抄は秋★枝儚月抄や小説と比べると批判は少ない、
(でもって熱狂的なファンも少ない)ようだが、
月都万象展の内実をすっ飛ばしたことには少なからず批判があるようだ。
私もこの点には不満がある。
が、四コマの限界なのかもしれない。
例えば、紅魔館のロケットパーティーは秋★枝儚月抄がメインで、それを受けて四コマが描かれた。
月都万象展も秋★枝儚月抄でメインの描写をしっかりやっておけば良かったのだが、
それがないので読者は風流な想像力を掻き立てることしかできない。
描写で紫や幽々子が登場していない(橙や妖夢は登場している)ことから、
原案ベースでなんらかの骨子があったと推測するのだが、今となっては真相は闇である。
三誌同時連載のヒビがここにも影響した、というのが私の素直な感想。
あそうそう最後に、単行本で気づいたが四コマ版だとレイセンの胸がない。ゼロ。
見事にゼロ。これは意外だった。
・妖精大戦争 ~ 東方三月精
角川から出ている三月精でおまけ扱いだった「妖精大戦争」が、ついにゲームに。
作者のブログ告知はこちら
私が抱いていた予想は、上海アリス幻樂団は夏コミで秘封倶楽部か幺樂団か、だった。
三月精というのは割と盲点だったので、色々と期待したい。
(昨年夏コミの上海アリス列は最悪だったが今年はどうなるだろうか。
正規ナンバーではないのでダブルスポイラーの列程度に収まってくれると助かるのだが)
いくつか気になる点。
まずゲーム中の立ち絵があった場合比良坂真琴氏が書くのかどうかということ。
ZUN絵の三月精を見てみたかったんだが比良坂絵になるのはやむをえないか。
三月精のドット絵を見る限り、比良坂絵になるっぽい。
(追記:立ち絵は全て比良坂氏が描くようです。比良坂氏のブログ日記より)
次にブログのスナップショットを見るとリリーホワイトらしきドット絵があること。
リリーホワイトにもついにスペルカードが出るのだろうか。
(なお、花映塚の黒服リリーホワイトは映姫ステージ用に着替えたもの、と解釈している。
秋★枝儚月抄で別々に登場してしまっているが、基本的には同一人物と見ている)
大妖精も三月精本編で出てきたし、なんかしら扱われるのだろうか。
三月精に登場したキャラやゾンビごっこを妖精にさせるお燐など、色々登場するのかどうかも気になるところ。
最後に、チルノのパーフェクトフリーズを主体にしたゲームということ。
確かに紅魔郷のPFは東方の知名度を高めるのに絶大な効果があったし、
花映塚では弾を止めるその技がほとんど反則技に近い性能を誇っていたから、
このようなゲームが作られるのもまあわかる。
わかるのだが、正直「また紅魔郷キャラかよ」と思う気持ちもある。
東方Project人気が、今でも紅魔郷キャラに偏重しているのは、個人的には問題だと思っている。
キャラクター面では非想天則でルーミアとフランドールを除いて紅魔郷キャラは全登場、
音楽面ではタイトーの音楽部門ZUNTATAが「U.N.オーエンは彼女なのか」を商業用にアレンジした。
2010年でも東方といえば紅魔郷イメージがあまりに強い。
逆に言うと界隈の人気と言う点では東方紅魔郷を超える作品は生まれていないということで、
今後ちょっと心配なのである。
(もちろん妖精大戦争で地霊殿や星蓮船のキャラがわんさか出てくる可能性もある)
チルノが主役なら角川も文句は言わないだろう。
ひょっとするとこの話は角川側から持ちかけた話かもしれないが。
多分酒コラムを書くついでに居酒屋で出た話なのだろう。
(追記:ZUN氏のブログや比良坂氏のブログなどによれば、
ゲーム製作の話は2年前にZUN氏と比良坂氏の間であったそうで、
角川は絡んでいない様子)
・キャラ★メルFebri
茨歌仙の前に、キャラ★メルFebriの感想。
手にとっての第一印象は、「え? これで1000円取るの?」だった。
中身としても「特集を組んで集中的に取り上げる」というスタンスではなく、
「なんとなく今人気の作家・作品を並べる」と言う雰囲気で散漫な印象。
旧キャラ★メルと同じ。ただし旧雑誌よりも一回りサイズが小さくなった。
気になったところ。
雑誌のほぼ全ページにページ番号を振るのは良いと思うが、
前半のカラーページと後半の
大丈夫なんだろうかと、ちょっと心配。
なもり氏の新連載「りせっと!」で、唐突にコミック百合姫などの宣伝が出てくるのだが、
雑誌の中でもこの部分だけで、かなり浮いている。
体裁の統一が欠けているようで、ちょっと心配。
雑誌をめくってすぐ小此木哲朗編集長代理の宣言がある。(編集長じゃなかったのかよ)
なんでもキャラ★メルFebriは
「熱意の塊のような方々を中核に据え
人の顔が見える情報をお伝えしていく」ことを基本方針にするらしい。
うーむ、この基本方針からして危うさしか感じられないのだが。
熱意の塊のような方々、と言うがこの雑誌で取り上げられる作品・作家は、
すでに評価されているものばかりなのだ。
つまり、
「評価されているものの裏に潜む熱意をインタビューなどで聞き出して、商品に仕立てる」
という意味なのだろう。
要するに、私の読んだ限りでは、埋もれている良作、今後伸びそうな作家を発掘するというよりも、
既に評価されている作品や作家に依存して商売する、という姿勢が窺えるのである。
ちょっとどころではなくかなり心配。
おそらく小此木編集長代理は、一定の東方ファンなら購入して支えると踏んでいるのだろう。
あるいは藤島康介ファンが。
それは正しい。そうしたつながりは小此木氏の力の源泉なのだろう。
だが小此木編集長代理は新人漫画家「あずまあや」を一流に育てられるのだろうか。
この手腕に関して私は一迅全体の空気を疑問視している。
なお、小此木編集長代理は次回予告の中で
自身のブログやtwitterをチェックしてみてください、と書いた。
どうやらあの方のtwitterはチェックされてしかるべきもののようだ。
一迅社の社員のtwitterはフリーダムすぎて時々眩暈がしてくるのだが、
それはまあいい。
しかし、一迅の代表取締役である杉野庸介氏と、小此木編集代理の
微妙な人間関係がtwitter上で見えてしまうのはどうなのだろうか。
先日も杉野氏が小此木氏に「呉越同舟」と皮肉にしか読めない言葉を投げ、
小此木氏は「呉越同舟って基本的に敵同士ですからね!」と素で(?)返した。
私なんぞはうーんと唸ってしまう。
そして、ZUN氏が妖精大戦争を発表したとき、小此木氏は
「なるほどそう来ましたか。最後の詰め頑張って下さい・・・!」
と返した。おいおい、なるほどそう来ましたか、じゃないだろと思ったが、
以前「では、そろそろ書籍でも文花帖2の企画をですね・・・(※冗談2割)」
と発言した人だから天然なんだろう。
とにかく雑誌の次回予告でtwitterのチェックをと書いたのはリスクが高すぎるとしか思えない。
(でも彼のtwitterをチェックしたら、タクティクスオウガがリメイクされるらしいという話を知った。
意外なところで面白い情報が入るものだ。
リメイクとなると、ヴォラックがライアットバーンを使う姿がついに見られるのだろうか)
それと雑誌の裏に「東方雅華乱舞」というトレーディングフィギュアの広告が。
秋★枝デザインの霊夢・魔理沙、あらたとしひらデザインの鈴仙・てゐ、TOKIAMEデザインの輝夜、
がスリーブで登場するらしい。ってスリーブかよ!
綿月姉妹を一迅はなぜ売り込まないのだろう。謎だ。
・東方茨歌仙 第一話「片腕有角の仙人」
やはりというべきか、あずまあや氏の正体は、azmaya氏のようだ。
そもそも小此木編集長代理がtwitterでフォローしたからバレたようだけどね。
ご本人のサイトazmayaでも告知された。
azmayaとあずまあやを分けたのは深い意味はない、とのこと。
第一話は、博麗神社に奉納された河童の腕を新キャラの茨華仙(茨木華扇)が見に来て、
霊夢や魔理沙と顔見知りになる、というだけの実に他愛もない話である。
絵柄は、なんというか、ちんまりしたキャラクターで、可愛いらしさは充分にある。
新キャラの茨華仙(茨木華扇)だが、どうして二つ名前があるのか明らかではない。
タイトルにあった「有角」に関しても、描写に角らしきものは見当たらなかった。
霊夢が「人間と闘う気もないし」と言っているおり、鬼という感じもしない。
この話ではよくわからない。
片腕の名の通り右腕がなく、布のようなものを(霊力で?)腕の形にして操っているようだ。
イメージとしては、藤田和日郎の漫画「うしおととら」の過去編でシャガクシャが獣の槍を入手するシーンだろうか。
(そういえば、緋想天の永江衣玖の布ドリルも、
藤田和日郎の漫画「からくりサーカス」に出てきた馬麗娜(マァリイナ)を想起した。偶然だろうか)
片腕のキャラというと、シグルイの藤木源之助や、ベルセルクのガッツなど、
バトル漫画の男性キャラに散見するが、女性キャラとなるとあまり記憶にない。
ただ茨華仙は布を義手のように扱えるようなので、特に描写の問題はなさそうだ。
ちなみに、JOJOの奇妙な冒険第3部でハーミットパープルを操るジョセフジョースターも義手だった。
ジョセフのイメージはキャラ造形になんらかの影響を与えているのだろう。
(髪型は春麗(チュンリー)っぽいけど)
もう一つ、今までの東方作品であまり語られてこなかった人里の入り口がイラストで明らかにされた。
まるで弥生時代の高層建築を思わせる、巨大な城門が備えられている。
しかも瓦葺ではなく茅葺のようだ。
人里の周りに田畑があるのは今までに明らかにされていたが、
もしかすると人里の周りだけでなく、低い山に火入れをして採草地を維持しているのかもしれない。
全体としての感想としては、第1話ではまだわからない、としかいえない。
雰囲気を読む限り大異変には発展しなさそう。
ただ「歌」要素や「角」要素が出て来ていないので作品としても様子見である。
ひとまず雑感としてこんなところ。
追記
秋葉原を訪れて気づいたこと。
秋葉原UDX(最近出来たでかいビル)にあるスーパーマーケットは、
ベルギービールが豊富!
棚に十数種類も置かれていた。
で今記事を書きながら、
Westmalle TripelとDuchesse de Bourgogneを飲んでいるわけである。
意外なところでベルギービールが揃ってるものだ。
流石にシント・ベルナルデュスはなかったが。
デュシャスは酸味の利いたレッドビールで夏に飲むにはちょうど良いかもしれんね。
ウェストマール・トリペルは、いかにもトリプルビールという感じのほどよい苦味のビールだった。
追記2
妖精大戦争について、
比良坂真琴氏のブログによると(こちら)
・立ち絵は全て比良坂氏が担当。
・ゲーム製作の話は2年前ごろからあった。
とのこと。
そういえば、ZUN氏は大昔の上海アリス通信に
三月精の三妖精はいずれゲームに出るだろう、
といった趣旨のことを書いていた。
どうやら製作にあたり厄介な経緯もないようで
この面では安心できそうだ。
秋葉原を訪れて気づいたこと。
秋葉原UDX(最近出来たでかいビル)にあるスーパーマーケットは、
ベルギービールが豊富!
棚に十数種類も置かれていた。
で今記事を書きながら、
Westmalle TripelとDuchesse de Bourgogneを飲んでいるわけである。
意外なところでベルギービールが揃ってるものだ。
流石にシント・ベルナルデュスはなかったが。
デュシャスは酸味の利いたレッドビールで夏に飲むにはちょうど良いかもしれんね。
ウェストマール・トリペルは、いかにもトリプルビールという感じのほどよい苦味のビールだった。
追記2
妖精大戦争について、
比良坂真琴氏のブログによると(こちら)
・立ち絵は全て比良坂氏が担当。
・ゲーム製作の話は2年前ごろからあった。
とのこと。
そういえば、ZUN氏は大昔の上海アリス通信に
三月精の三妖精はいずれゲームに出るだろう、
といった趣旨のことを書いていた。
どうやら製作にあたり厄介な経緯もないようで
この面では安心できそうだ。
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Comments
>見事にゼロ。これは意外だった。
姉妹間の格差も… http://f.hatena.ne.jp/yos_piyo/20100725032929
> 姉妹間の格差も… http://f.hatena.ne.jp/yos_piyo/20100725032929
姉妹の差もかなりありますね。
永琳>豊姫>依姫という序列が歴然と存在する格差社会。
レイセンは秋枝版1話ではそれなりにあったんですが、
どんどんしぼんでいって四コマでついにゼロに。
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