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2010/07/30

炎天下無限に続くかのような上海アリス列に並んで東方星蓮船を買い、はや一年。
スナップショットを集めてみようと思い立ち、ついでにエクストラを全キャラでクリアした。

(実を言うと、エクストラボス撃破後の会話は東方セリフ蒐集所を運営されているonnel氏が、
全てニコニコ動画にまとめて上げているのである。
なので会話を見る時はそれのお世話になればよいのであるが……)

星蓮船X全キャラクリア画像

これでWindows版東方ProjectのExtraは花映塚と地霊殿以外全キャラクリアしたわけで、
せっかくなので星蓮船Extraの感想と紅魔郷以降の東方作品の流れにでも言及しようかと思う。

星蓮船Extraについて

星蓮船Extraは魔理沙の天下、とかどこかの誰かが言ったそうだが、全然まったく一切そんなことはなかった。
確かに魔理沙Aの貫通レーザーは鵺のスペカ「青色UFO」と「虹色UFO」に対し若干有利だが、それだけ。
ここでも圧倒的に早苗Bが強く、魔理沙BなどはExtraでも使いにくい機体と言わざるを得ない。

Extraそのものについては、スペルカードのUFOシリーズがちょうど永夜抄の「使い魔システム」の復活に当たっており、
使い魔を撃破して楽になる、というシューティングの王道要素を取り入れた点が興味深い。
また、よく言われる星蓮船のベントラーのストレスも存分に味わうことができた。

私が感じた、星蓮船の残念なところは3点。
・ベントラーの回収パターンを組もうにも要素が多すぎて、なかなかパターン化しづらい
・UFO破壊タイミングがシビアで弾消しが快感にならず、むしろ不快
・Extraに限ると、鵺と戦う時にベントラーが一切に関わらず、あまり面白みがないという点。
これである。
一つ目のベントラーのパターン化だが、
 ・ベントラーが遊泳する角度が自キャラ操作可能な角度(8方向)と異なり、的確に追うのが難しい。
 ・ベントラーを取った数によって右に行くか左に行くかが変わり多数のベントラーが出現する状況では先読み不可。
 ・気まぐれベントラーの色が変わるタイミングが固定でない。
こうした理由から完璧なパターン化が難しいのである。
まあExtraは色固定ベントラーが多いので色固定ベントラーに絞ったパターンを作るしかないのだが。

二つ目は、このゲームの特徴であるUFO出現&破壊時に画面の弾を消せるというシステムの問題である。
これは妖々夢の森羅結界と比較すれば良くわかると思う。
森羅結界には、いつでも画面の弾を消せるという特性と結界終了後の無敵時間という利点があった。
Phantasmにおける結界終了後の無敵時間を利用した黒死蝶取得方法などは有名だろう。
これに対し星蓮船のUFO弾消しには無敵時間がなく、むしろ撃破直後は弾が残っていて被弾することすらある。
そもそもUFOにショットを当ててる時間は他の敵に弾を当てられず画面上の敵弾の数が増大しているのだから、
せっかくUFOを破壊したのに報われず被弾する事態が頻発し、ストレスが溜まりやすいのである。
むしろ森羅結界と同じようにUFO破壊後に数十フレームの無敵時間があっても良かったぐらいだと思うのだが。
このように星蓮船では、UFOを破壊した時に得られる快楽が余りない、というのが非常に惜しいところである。

三つ目はExtra限定なのだが、本編と同じようにボス戦でベントラーが絡まないため、
道中で余ったベントラーに意味がないだけでなく、
鵺がベントラー騒動の張本人という意味合いが薄れているように感じる点である。
Extraなら、スペルカードごとに残機の欠片やボムの欠片を落とすのではなく、
スペルカードごとにさまざまなベントラーを放出し、
ベントラーも色を合わせて出現したUFOも画面外に逃げずにずっと留まっているようなシステムにした方が良かったんではないか。
(通常攻撃時にUFOを撃破すれば弾消し、スペルカード時に撃破すれば弾消し無し、など差別化すれば……)
星蓮船Extraは道中が過去作品で一番難しく、また面白さもあるのだが、
ボスの鵺自体は全体的にそれほど尖っておらず、かなり無難な印象を受けるのである。
(もっとも、諏訪子のように通常攻撃が使い回しということはない)

他にも、鵺の通常1の弾が背景と相まって非常に見づらいとか、色々あるのだが、
最後のスペル、恨弓「源三位頼政の弓」はかなり純粋な弾幕、
つまり気合い避け熱くなれる弾幕なので、クリア後の爽快感はちゃんとあった。
(頼政の弓は一度も取れてないんだけどね。波紋よりは楽だと思うけど……)

とまあ色々書いたけど、普通に面白かった 道中のおかげで退屈しない内容ではあった。


(以下おまけ記事)


紅魔郷からの6ステージSTGの流れの中で星蓮船を捉えるということ

さて、東方Projectの二次創作が盛んになり、二次創作を中心とした東方界隈における神主が絶大な人気を誇る一方、
シューターからのゲームクリエイターとしてのZUNの評価はここのところ落ち目なんじゃないか、というのが偽らざる印象である。

界隈で良く聞くのは、東方風神録以降ゲームとしての完成度に陰りが見え始めているということ。
妖々夢や永夜抄は面白かったが、風神録、地霊殿、星蓮船は欠点が気になってゲームにのめり込めないという感想。
特に、
・風神録のグレイズ廃止
・地霊殿の霊撃でパワーが落ちるシステム
・星蓮船のベントラーが引き起こすストレス
は東方アンチだけでなく東方ファンの間でも良く聞かれること。
それに加え、明らかにバグがあるにも関わらず、(星蓮船の10億点強制終了バグを除き)
風神録以降はただの一度も修正パッチが作られなかったことも、
昨今の東方Projectの完成度を落としている原因として必ず話題に出る。

ここら辺の批判はなるほどと頷けるものもあり、バグ修正パッチに関してはその通りだと思う。
が、風神録以降のゲームについての私の感想はちょっと違う。
良い機会なので自分なりの考えをまとめておきたい。

まずWindows以降の弾幕STGは花映塚や文花帖を除くと3部作構成で、
紅魔郷・妖々夢・永夜抄の三部作と風神録・地霊殿・星蓮船の三部作では方向性がかなり異なるということ。
これが私の評価の中心である。

紅妖永三部作は、
PC-98版から引き継いだ6ステージ+Extraステージという枠組みへの挌闘があった。
妖々夢のPhantasmステージ、永夜抄の6BルートとLastwordというシステムは、後の東方には引き継がれずに消えた。

また、エクステンドやパワーがどの作品も同じようなタイミングで増えていくのも特徴だろう。
特に、3面中ボスと5面中ボスが1upを落とす仕様は不動だった。
加えて、後半のパワーアイテムは価値が薄かったり、他のアイテムに変わってしまっており、
基本的に一度パワーマックス(128)になってしまうとほとんどパワーが落ちないシステムであった。

また風地星三部作に比べるとキャラクターや装備ごとの差があまりない。
特に魔理沙は魔符と恋符(あるいは魔理沙単体とアリス単体)の差がボム性能ぐらいしかない。
東方において貫通レーザーはそれほど有利な印象を受けないからだろう。
(硬い敵が縦に重なるといったシーンがなく、地形も存在しないため)
一方でキャラクターの速度差がかなりあり、特に低速時の速度の違いの存在は、風地星と際立った差を見せる。

スペルカード取得にゲーム進行上の意味を持たせようという方向性もあった。
妖々夢のPhontasm出現条件、永夜抄Extraのラストスペル出現条件など。
妖々夢ではスペルカードを15枚以上取得することで反魂蝶で「結界ループ」を発動させるという技すら存在する。
さらに永夜抄LastWordに魔理沙単体&スペルプラクティスでノーマルスペルカード全取得という条件のスペルがあり、
スペルカードを取得するということに意味を付与していく方向だったといえるだろう。

一方でこの頃は修正パッチをちゃんと出していたものの、入力遅延バグは放置され、後々までシューターから批判されることに。


さて、風地星三部作はどうなのだろうか。
紅妖永で実験が繰り返されたステージ数は、風地星では6ステージ+Extraステージで完全固定になった。
スペルカード取得がキャラクターごとの集計のみになり、スペルカード取得をゲーム進行に絡める手法は完全に廃棄された。
入力遅延バグなどは解決された。
低速移動速度が均一化され、一方でキャラクターや装備によってショットは多様になった。

だが、私の見るところ、風地星三部作の特徴は上記の点ではない。
紅妖星三部作になかった最大の特徴といえばそれはズバリ、
「エクステンド・パワー・ボム・点数の関係性強化」なのである。
そもそも風神録でなぜZUN氏はグレイズを廃止したのか。
もちろん封魔録を意識したというのはあるだろう、だがより積極的な理由を見出すなら、
『グレイズ目的の残機潰し、ボム補充のための残機潰しを絶対にさせないシステム』を作りたかったのではないか。
残機潰しは紅魔郷などで稼ぐには必須の手法である。
風神録は、グレイズで倍率などを上げさせるのではなく、
信仰ゲージを切らさないようにアイテムを取り敵を倒し喰らい霊撃を撃つ、「リレーSTG」のようなシステムになっている。
ここで初めてパワーを消費してボム(霊撃)を撃つシステムが出てきた。
パワーを減らしてボムを撃つか、あるいは残機を失うリスクを抱えて点数のために喰らいボムに行くか、
こうした「バーター」があるのが風神録なのである。
システム上は、稼ごうとすると必然的に喰らいボム狙いプレイになり、
従来あった喰らいボムシステムを先鋭化させたシステムになっている。
風神録はグレイズがないため、稼ぎ=残機を潰さない=スペルカードの取得率が高い、という図になり、
(鍵山雛のスペルは早回しの方が得なので喰らい霊撃の餌食になるが)
またボスの通常攻撃でグレイズ稼ぎのために間延びしたプレイにならずに済む。
信仰点リレーと相まって、プレイの美しさ、テンポの良さを成立させたという評価を私は持っている。

地霊殿は、この「エクステンド・パワー・ボム・点数の関係性強化」の方向性の上にある。
道中で得られるパワーが少なく、よりパワーとボムの関係性が強まった。
一方で地霊殿ではグレイズが復活した。
いや、復活したどころかグレイズに特化したシステムになったため、
グレイズ目的やボム補充のための残機潰しという以前の手法も大復活した。
(やはり東方Projectはグレイズがないと盛り上がらない、と思い直したのだろうか。
あるいは風神録を作る前から、グレイズ無しの作品→グレイズに特化した作品という展開を考えていたか、
ここら辺は正直わからない)
一方で、稼がずにクリア目的のプレイをした場合点数に関わるアイテムは一切取る必要がなくなり、
稼ぎプレイとクリアプレイが極端に乖離することになった。

さて、星蓮船である。
もう今までの流れで予測可能だろう。
星蓮船は「エクステンド・パワー・ボム・点数の関係性強化」の最終形態といえよう。
点数とエクステンドが完全に二者択一になっている。
おまけに3面中ボス・5面中ボスが1upを落とす伝統すら消え、稼ぐには極めてストイックなプレイが要求されるようになった。
それに加えて、開始直後から可能な上部回収によって不要と化した、「アイテムを取るスキル」をベントラーシステムに活かす試みが生まれた。
私の見たところ、弾をかわすだけでなく、必要なアイテムをちゃんと取って行くことによって
なにがしかの快感が生まれることを期待して生まれたシステムのような気がする。
これが星蓮船の正体なのではないかと思う。

要するに、風神録、地霊殿、星蓮船は、それぞれ「喰らいボム」、「カスリ」、「アイテム取得」という要素に偏りながら、
シューティングの各要素の関係性を強化しようと先鋭化していった果てなのではないかということ。
そして星蓮船は、余りに尖りすぎてハード以上の異様な難易度と、極端にストイックな稼ぎプレイスタイルを産んでしまった。
だが要素の関係性強化に関しては、これはこれで一定の成果を上げたと言えるのではないか。
(仏への絶対的な帰依を果たすには、残機もボムも全て捨て去りラスボスの前に0-0で立つことが望まれるという、仏教的STG。
極め者は得点すら反転しマイナスになってしまうという……ってことはバグだけど)

問題は、アイテム取得の快楽が、ほとんど生まれずむしろストレスになっているということ、
そしてボス戦においてはベントラーの存在が関与していないということ。
前述の通り、ベントラーはパターン化するには要素が多すぎて、画面中に複数表れる場合はほとんどランダムのように振舞う。
このため、ベントラーを的確に取得することで生まれるはずの快感が、ストレスに塗りつぶされている感がある。

結論を言えば、
「東方星蓮船は今までの流れとしては正統な最新作であるが、
ベントラーを取っていく行為がそのままSTGの気持ち良さにつながらなかったのが、星蓮船の惜しいところだ」
ということである。

決して未だにハードがクリア出来ないから負け惜しみ言ってるわけじゃないよ。
え? ちゃんとした評価は全作品のルナを全キャラ・装備でクリアしてから言え?
……努力します。

追記
茨歌仙第1話考察の中心に据えようと考えていた、
『茨華仙=都良香(仙人)+茨木童子(鬼)で、歌を交わした時に両者が同化したという説』
なのだが、困ったことに仙人としての都良香の伝説がほとんど残っていない。
あったとしても、都が仙人になった経緯というものが、
『菅原道真に官位を抜かれて悔しくて山に籠もっちゃったら仙人になっちゃった』
というものらしく、あまりパッとしない。
富士山についての記事を残すなど、微妙に東方と絡む要素は残っているのだが。

ちなみに、例の「羅城門の下で詩を読んだところの鬼が下の句を接いだが後日菅原道真に見破られた」という話、
この類型の話に菅原道真が登場するのは13世紀の天神信仰が流行してから後だという。
(※都良香像の変質と天神縁起という論文を参考にしました)
となると、菅原道真に先に出世されて憤慨して仙人になったという伝説も同時期に成立したのかもしれない。
『本朝神仙伝』に見える話は古形を残しているようだ。

都良香にあまり印象に残る伝説がないとすると、役小角あたりを調べねばならなくなるが、ここら辺は要検討。
追記
今回、記事を書くにあたってFC2ブログのtwitter連携機能を使ってみた。
ちゃんと投げてくれるようだ。
twitter断ちと言いつつ、これくらいはしても良いかもしれない。

もう一つ、今まで機能していた強調タグが記事に反映されなくなった。
これもCSSの問題なのか? 良くわからないので放置。
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 Comments

  • Name:りゅういち
  • 初めまして。
    ベントラーはアイテム吸収や色揃えといった要素は面白いのに、
    それを活かしきれなかった惜しゲーと思っていたゆえ、
    この考察を興味深く読ませて頂きました。

    確かに近年の東方は、残機増やしと得点稼ぎを隔離させつつ、
    やや荒削りに試行錯誤している感じがします。

    また星やDSをプレイしていると、
    ZUN氏はSTGというよりパズル的な方向、
    あるいは両者を複合させたゲームを
    目指しているのではないかとも思いました。

    そういった視点で、
    夏の新作がどんなシステムになるのか結構注目しております。
  • 2010/07/31 08:45 | URL   [ 編集 ]
  • Name:五蟻
  • コメントありがとうございます。

    > 確かに近年の東方は、残機増やしと得点稼ぎを隔離させつつ、
    > やや荒削りに試行錯誤している感じがします。

    おっしゃるとおり、調整という面で荒削りなところが見えます。
    トータルでバランスを取ろうとしていないといいますか。
    UFO自体のアイデアは良かったと思いますし、敵弾とアイテムが画面を埋め尽くす様も圧巻ですが、
    私にとってはハード以上はあまりにも難易度が上がりすぎていて、
    ベントラーがストレスでシューティングへの熱中をもたらす素直な楽しさと直結しない感があります。
    初期版にあった10億点強制終了バグや点数のオーバーフローバグなどがあるのも、
    充分な調整が出来なかったためと思えてしまいます。

    まあ、難易度に関しては、ルナの難易度の方が楽しめる方もいると思うので、個人差もあると思いますが……

    > また星やDSをプレイしていると、
    > ZUN氏はSTGというよりパズル的な方向、
    > あるいは両者を複合させたゲームを
    > 目指しているのではないかとも思いました。

    >そういった視点で、
    >夏の新作がどんなシステムになるのか結構注目しております。

    文花帖とダブルスポイラーは写真撮影STGという変わったシステムで、
    おそらくZUN氏のオリジナルでしょうか。
    クリアするために「最適な時間と空間の一点」を探し出すという意味で、
    おっしゃるとおりパズルを解くような面白さがありますね。
    (ZUN氏の本棚に数学パズルの本がありましたし、そういった素養を磨いているのでしょう)

    次回作の妖精大戦争はチルノが弾幕を凍らせるゲームのようですが、
    ダブルスポイラーでも傑作スペル「カンダタロープ」のようなパズル的な弾幕が出てきたので
    妖精大戦争にも期待したいですね。
  • 2010/07/31 10:04 | URL 

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