2009/09/09
(続き)
で、やっとキャラの話ですよ。星蓮船で一番驚いたのはバッドエンディングなんだけど、
まずはこの悪人三人を御覧あれ。

霊夢の頑迷さが入り混じった表情、魔理沙のイライラと自嘲のない交ぜになったような表情、
早苗にいたっては相手から目をそらして話す癖がついてしまった(あるいは地の表情が出た?)
いやはや地霊殿から数ヶ月でこう変わるか(特に早苗)と思うものの、
この3人が見せる今までにない人間臭さはポイント高い。(というかZUN氏の絵が上手くなったということか)
そもそも東方のキャラクターって、世の中にありふれてる商業的な萌えキャラと違って、
いかにも作られましたという感じの媚びがないところがいいところだと思っているのです。
少なくともあまり男の性的欲望を充足させようという積極的(?)姿勢が感じられない。
あるいは「~属性」的な欲求を満たそうという気がないと思えるわけですよ。
デザインに関しても性格に関しても口調に関しても。
もっというと「狙ってない感」があって東方キャラは好きなんです。
(実際にはZUN氏なりに毎回狙って作ってるんだけど、毎回ZUN氏の狙いとは別のところがウケているのかもしれない)
星蓮船で人間組がより人間臭い十代の少女になってくれれば、一東方ファンとしては嬉しい。
特に今回、霊夢は竹本泉的な匂いをほぼ払拭したかなと。(もしかすると秋★枝絵が影響を与えた?)
霊夢は、裏表ない性格というよりはドグマ主義的な態度で終始一貫したわけだが、
やがて(山村的な)タフで頑固なオバちゃんへと変化して行くのだろうか?
とか、琥珀の目をした魔理沙がその父親への反抗期を脱する日は来るのか?
(秋霜玉の頃は霊夢に依存しまくりだったようだが、今はどうなのだろうか)
とか色々思わせてくれたのも、星蓮船における霊夢と魔理沙のこんな表情のおかげです。
これが見られるだけで星蓮船はプレイする価値があるというもの。
早苗にいたってはねえ……他二人とコミュニケーションというものの捉え方がまるで違うような目線を描かれているので、
早苗が喋れば喋るほど、真っ直ぐに見つめて話す敵ボスに感情移入が(笑)
プレイ中、何度「お前相手見てしゃべれよ」とツッコミを入れたことか。
ZUN氏の感覚では現代っ子ってこんな感じなのかな。まあこういう子いそうだけど。
目を合わせないで話そうとする子。
対照的に、敵ボスは小傘にしろナズーリンにしろ星にしろ、みんな可愛い、というかすっきりまとまっている。
人間組と同じく商業的な萌え要素を感じさせない点では同じなのだが
(とは言いつつ、じゃっかん小傘には「あざとい」感が見えるような気がするが)
決してこのブログに載せたような「人間的なイヤな表情」はしない。
すでにあちこちで言われていることだと思うけど、星蓮船は2ボス以外はボスが全員つながっているおり、
鵺以外は一つの目的(しかも一般的に見れば善良な目的)に向かって活動しているわけで、
聖白蓮の思想と相俟って向こう側が輝いて見える。
特にムラサの過去ストーリーなんて熱いこと熱いこと。神主が自称シリアス嫌いを吹聴しつつ、
実はシリアス設定がなければ生きていけない人間であることは薄々気づいていたが、
ムラサのキャラ設定テクストでは、神主が感極まったのか、なんとムラサと同化してしまっている。
(以下引用)
妖怪となった彼女には、剣や矢よりも精神的な攻撃の方が怖かった。
僧侶はその事を知っていた。
「私達を乗せてきた舟は、不慮の水難事故で沈んでしまいました。
私の法力で新しい舟を創りましたが、これは特殊な舟で操れる者が
居ません」
僧侶は、水から離れられない私に手をさしのべた。
「この舟を操るのは貴方です」
その言葉で、彼女は呪われた海を捨てる事が出来た。
(引用終わり)
う~む、このキャラ設定、ZUN氏は泣きながら書いていたのだろうか。
まあ、私が密かに考えているところでは、
「Windows以降の幻想郷という場所は外の世界で悲恋に泣いたり悲惨な末路をたどったフィクショナルな
(主に女性)キャラが、救済される場所」という意味があるんじゃないかということです。
かぐや姫、富士見の娘、橋姫に命蓮の姉から、「上海幻夜」の橙=貞美鈴、「帝都物語」の辰宮由佳理、
レミリアとフランドールは「上海幻夜」の金夢魚と富貴鶏のイメージ、
霊夢にいたっては、まんま小夜ちゃんの生まれ変わりになってしまいそう(ああ……奇々怪界2 ……)
というわけで尼公や船幽霊が幻想郷でのほほんと暮らすのは悪い風景ではない。
要するに、星蓮船のメインストーリーは、ドグマや遊び感覚で妖怪退治してくる凶悪な人間に対して
心美しき妖怪達が精いっぱい抵抗しつつ、あるいは人間をうまく利用しつつ白蓮を復活させようというもの。
なんとなくゲゲゲの鬼太郎のノリがする。心がきれいな妖怪と心の汚い人間。
となるとその対比が作画にも反映されたってことなんだろうか。
(しかし、ここに至って人喰わない宣言しちゃった妖怪の一派が登場するとなると紫はどうするんでしょうね。
白蓮の税金取りに今度は魔界と戦争して夢子あたりに土下座するんでしょうか)
……え? 封獣ぬえ?
元ネタからして(どうみても)デザインを意図的に中二病っぽいデザインにしてある封獣ぬえは置いとくとしましょう(笑)
いやあれ、どうみても中学生が東方っぽいキャラを作っちゃいましたってノリで意図的に作ったでしょ。
(いや、ZUN氏の本気絵だったのかもしれない。うかつなことはいえない……)
さて、私が星蓮船で驚いたのはバッドエンディングが本当にバッドだということ。
イージーモードで6通り全部見たが、あれじゃあ再挑戦できなくないか?
もちろん主人公が死ぬわけではないが。魔界から帰れなくなって話はおしまい。
「うぉーいマジかよー」ってところだが、
ほんと、東方のバッドエンディングで自機キャラが家に帰れないEDは初めてじゃなかろうか。
知人も沢山いるんだし、サリエルや神綺や都合良く里帰りしていたアリスに助けてもらうストーリーにすればよかったのに。
これはやはり妖怪退治の報いなのだろうか。
話は脱線するが、このバッドエンディングのように霊夢が幻想郷に帰れなくなった場合、
儚月抄の射命丸のセリフによれば新しい博麗の巫女がどこからから(捨て子から?)選ばれて、
霊夢は先代として捨てられる運命のようです。霊夢自身はそのことを知っているのかなあ。
そういうことも合わせて、いろいろ考えさせられてしまうバッドエンディングである。
(ちなみに早苗の場合一子相伝だから祭儀が絶えてしまうことに!)
非想天則の方では、もうすぐとんでもない大異変が幻想郷を訪れる、みたいな伏線が張ってあったし、
次回作ではもっと異変らしい異変になるのであろうか。
その時に新しい博麗の巫女なんて話になってももはや驚かない。
(続く)
で、やっとキャラの話ですよ。星蓮船で一番驚いたのはバッドエンディングなんだけど、
まずはこの悪人三人を御覧あれ。

霊夢の頑迷さが入り混じった表情、魔理沙のイライラと自嘲のない交ぜになったような表情、
早苗にいたっては相手から目をそらして話す癖がついてしまった(あるいは地の表情が出た?)
いやはや地霊殿から数ヶ月でこう変わるか(特に早苗)と思うものの、
この3人が見せる今までにない人間臭さはポイント高い。(というかZUN氏の絵が上手くなったということか)
そもそも東方のキャラクターって、世の中にありふれてる商業的な萌えキャラと違って、
いかにも作られましたという感じの媚びがないところがいいところだと思っているのです。
少なくともあまり男の性的欲望を充足させようという積極的(?)姿勢が感じられない。
あるいは「~属性」的な欲求を満たそうという気がないと思えるわけですよ。
デザインに関しても性格に関しても口調に関しても。
もっというと「狙ってない感」があって東方キャラは好きなんです。
(実際にはZUN氏なりに毎回狙って作ってるんだけど、毎回ZUN氏の狙いとは別のところがウケているのかもしれない)
星蓮船で人間組がより人間臭い十代の少女になってくれれば、一東方ファンとしては嬉しい。
特に今回、霊夢は竹本泉的な匂いをほぼ払拭したかなと。(もしかすると秋★枝絵が影響を与えた?)
霊夢は、裏表ない性格というよりはドグマ主義的な態度で終始一貫したわけだが、
やがて(山村的な)タフで頑固なオバちゃんへと変化して行くのだろうか?
とか、琥珀の目をした魔理沙がその父親への反抗期を脱する日は来るのか?
(秋霜玉の頃は霊夢に依存しまくりだったようだが、今はどうなのだろうか)
とか色々思わせてくれたのも、星蓮船における霊夢と魔理沙のこんな表情のおかげです。
これが見られるだけで星蓮船はプレイする価値があるというもの。
早苗にいたってはねえ……他二人とコミュニケーションというものの捉え方がまるで違うような目線を描かれているので、
早苗が喋れば喋るほど、真っ直ぐに見つめて話す敵ボスに感情移入が(笑)
プレイ中、何度「お前相手見てしゃべれよ」とツッコミを入れたことか。
ZUN氏の感覚では現代っ子ってこんな感じなのかな。まあこういう子いそうだけど。
目を合わせないで話そうとする子。
対照的に、敵ボスは小傘にしろナズーリンにしろ星にしろ、みんな可愛い、というかすっきりまとまっている。
人間組と同じく商業的な萌え要素を感じさせない点では同じなのだが
(とは言いつつ、じゃっかん小傘には「あざとい」感が見えるような気がするが)
決してこのブログに載せたような「人間的なイヤな表情」はしない。
すでにあちこちで言われていることだと思うけど、星蓮船は2ボス以外はボスが全員つながっているおり、
鵺以外は一つの目的(しかも一般的に見れば善良な目的)に向かって活動しているわけで、
聖白蓮の思想と相俟って向こう側が輝いて見える。
特にムラサの過去ストーリーなんて熱いこと熱いこと。神主が自称シリアス嫌いを吹聴しつつ、
実はシリアス設定がなければ生きていけない人間であることは薄々気づいていたが、
ムラサのキャラ設定テクストでは、神主が感極まったのか、なんとムラサと同化してしまっている。
(以下引用)
妖怪となった彼女には、剣や矢よりも精神的な攻撃の方が怖かった。
僧侶はその事を知っていた。
「私達を乗せてきた舟は、不慮の水難事故で沈んでしまいました。
私の法力で新しい舟を創りましたが、これは特殊な舟で操れる者が
居ません」
僧侶は、水から離れられない私に手をさしのべた。
「この舟を操るのは貴方です」
その言葉で、彼女は呪われた海を捨てる事が出来た。
(引用終わり)
う~む、このキャラ設定、ZUN氏は泣きながら書いていたのだろうか。
まあ、私が密かに考えているところでは、
「Windows以降の幻想郷という場所は外の世界で悲恋に泣いたり悲惨な末路をたどったフィクショナルな
(主に女性)キャラが、救済される場所」という意味があるんじゃないかということです。
かぐや姫、富士見の娘、橋姫に命蓮の姉から、「上海幻夜」の橙=貞美鈴、「帝都物語」の辰宮由佳理、
レミリアとフランドールは「上海幻夜」の金夢魚と富貴鶏のイメージ、
霊夢にいたっては、まんま小夜ちゃんの生まれ変わりになってしまいそう(ああ……奇々怪界2 ……)
というわけで尼公や船幽霊が幻想郷でのほほんと暮らすのは悪い風景ではない。
要するに、星蓮船のメインストーリーは、ドグマや遊び感覚で妖怪退治してくる凶悪な人間に対して
心美しき妖怪達が精いっぱい抵抗しつつ、あるいは人間をうまく利用しつつ白蓮を復活させようというもの。
なんとなくゲゲゲの鬼太郎のノリがする。心がきれいな妖怪と心の汚い人間。
となるとその対比が作画にも反映されたってことなんだろうか。
(しかし、ここに至って人喰わない宣言しちゃった妖怪の一派が登場するとなると紫はどうするんでしょうね。
白蓮の税金取りに今度は魔界と戦争して夢子あたりに土下座するんでしょうか)
……え? 封獣ぬえ?
元ネタからして(どうみても)デザインを意図的に中二病っぽいデザインにしてある封獣ぬえは置いとくとしましょう(笑)
いやあれ、どうみても中学生が東方っぽいキャラを作っちゃいましたってノリで意図的に作ったでしょ。
(いや、ZUN氏の本気絵だったのかもしれない。うかつなことはいえない……)
さて、私が星蓮船で驚いたのはバッドエンディングが本当にバッドだということ。
イージーモードで6通り全部見たが、あれじゃあ再挑戦できなくないか?
もちろん主人公が死ぬわけではないが。魔界から帰れなくなって話はおしまい。
「うぉーいマジかよー」ってところだが、
ほんと、東方のバッドエンディングで自機キャラが家に帰れないEDは初めてじゃなかろうか。
知人も沢山いるんだし、サリエルや神綺や都合良く里帰りしていたアリスに助けてもらうストーリーにすればよかったのに。
これはやはり妖怪退治の報いなのだろうか。
話は脱線するが、このバッドエンディングのように霊夢が幻想郷に帰れなくなった場合、
儚月抄の射命丸のセリフによれば新しい博麗の巫女がどこからから(捨て子から?)選ばれて、
霊夢は先代として捨てられる運命のようです。霊夢自身はそのことを知っているのかなあ。
そういうことも合わせて、いろいろ考えさせられてしまうバッドエンディングである。
(ちなみに早苗の場合一子相伝だから祭儀が絶えてしまうことに!)
非想天則の方では、もうすぐとんでもない大異変が幻想郷を訪れる、みたいな伏線が張ってあったし、
次回作ではもっと異変らしい異変になるのであろうか。
その時に新しい博麗の巫女なんて話になってももはや驚かない。
(続く)
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